Archive for the ‘ 書評 ’ Category

殿様が家老に「火の用心」をいいつけた、というお話


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友人に勧められて土光敏夫さんの本を読んでみました。

実はだいぶ前に読んだのですが、文中で紹介されていたエピソードがいまでもちょっと気になっているのでメモ的にエントリーしておきます。

■ 火の用心

「情報加工」と題されたそのエピソードですが、以下に引用しておきますね。

風のつよい日、殿様が家老に「火の用心」をいいつけた。家老は奉行に、奉行は与力に、与力は足軽に、逐次火の用心を伝えた。その夜、火が出て城は丸焼けになった。

この話を受けて土光さんいわく「企業におけるコミュニーケーションでもよくあること。社長が言ったことをそのまま伝えても意味がない。各段階はそれを鵜呑みにしないで、自分の言葉に翻訳することが肝要だ」と述べています。

ちょっと前に「戦略、戦術論」が話題になりましたが、そうした計画策定も大事ではありますが、実践レベルでは「それぞれが自分の段階で出来る事を考えぬくこと(もしくは考えてもらうこと)」が成果に直結しますよね。

そうしたことを説明するときに、アカデミックな用語でも良いのですが、このエピソードのような「たとえ話」もわりとわかりやすいのではないかな、自分もこういうたとえ話がうまくなりたいな、とつらつら思っていましたよっと。

ま、それだけです。

豊かにイメージが広がっていく「たとえ話」は形式知とともに暗黙知も伝えてくれるのでは、とまたしてもアカデミックな言い回しはもういいですかw。

ちなみにこうした「たとえ話」つながりで言えば次のようなお話も好きだったりします。こちらもあわせてメモしておこう。

ある舞踊の先生は、踊りを教えるときに「たとえ」をうまく使っている。彼女は、「もう少し丁寧に手を流して」という動きを「別れ際に恋人の手を離すときのように」と表現する。こうした「たとえ」を使うことで生徒はすぐにその動きを習得できるようになるのだという(出典は「上達の法則」だったような・・・)。

あ、ちなみに土光さんの本はこちらね。昭和な感じではありますが、言葉に重みがあって、素敵な本だと思います。

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» [新装版]土光敏夫 信念の言葉

【書評】 中国版ツイッター、ウェイボーを攻略せよ!


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まずは献本御礼!本日から発売らしいですよ。著者の山本さんは北京在住の起業家です。昨日お茶していて、いろいろ「へー!」的なお話も聞いたので前のめり気味にご紹介。

さて本書は「近くて遠い国、中国」で急成長中の「ウェイボー」についての最新情報が詰まった本です(なお、「ウェイボー」は「マイクロブログ」の総称で、「ウェイボー」を提供しているサイトが複数ある、というイメージです)。

そう聞くと「ふむ、ま、ツイッターでしょ?」と思うかもしれませんが、独自の進化を遂げつつあるこのツールは、中国ならではの莫大なユーザー数とあいまって(総ユーザー数が3億人とかどういうことw)、国家を変えかねないパワーを持っているのかもしれません・・・と、本書を読んで思いました。

こうした中国のナマの情報はなかなか届きませんからね・・・、お隣の国で起こりつつある変化を知るにはとても良い本かと思います。欧米のネットサービスとはひとあじ違った驚きがありますよ。

さて、せっかくなのでいくつか個人的に気になったポイントをざざっと紹介してみます。

■ ウェイボーが政府を動かす?

中国で起きた列車脱線事故は記憶に新しいかと思いますが、その事故が起きた時も「ウェイボー」で急速に情報が広まり、「ウェイボー」以前ではありえなかったような対応を政府がしたそうです。

他にも有害物質をたれ流している可能性がある工場の情報がウェイボーで広まることにより、政府から工場移転の発表があったり・・・。そうした変化が現在進行形で起こっているとのこと。

中国というと政府による情報統制が厳しいイメージがありますが、さすがに3億人のユーザーがいっせいにつぶやくのは止められないようです。ウェイボーのユーザーはこれから国を担っていく若い人が多いらしいのでこのツールをきっかけに国の「性質」みたいなものが大きく変わっていくのではないかな、と個人的には感じましたよ・・・。

■ でもツイッターでしょ?と思いきや・・・

さてその「ウェイボー」ですが、140文字の制限はツイッターそっくりなのですが、それ以外の機能が充実しまくりです。たとえるならば「ブログ+ツイッター+Facebook+ソーシャルゲーム」といった感じでしょうか。

「つぶやきにコメントがつけられる」「投票&アンケート機能(しかもかなり高性能)」「ウェイボーと連動するゲームやアプリが人気」「しかも実名登録制」「日々変化するウェイボー指数を管理できる解析機能」などなどが実装されており、中国のスマホユーザーはほぼウェイボーのみを使っている、という状況のようです。

本書で解説されている「そうした独自の進化がなぜ進んでいったのか?」を理解することも、中国という国や文化を知る上で大事なポイントになるかと思います。

■ 蒼井そらさんに学ぶウェイボーの使いこなし方

さてそうした急成長をとげるウェイボーのなかで大人気の日本人が蒼井そらさん。なんとフォロアー数が1,000万人+とのこと。どういうことですか・・・。

苍井空的微博 新浪微博 随时随地分享身边的新鲜事儿

↑ 蒼井そらさんのウェイボー。

そして本書ではどうして彼女がこれだけの支持を得られたかを詳しく解説してくれています。セクシータレントだからでしょ?と考えがちですが(それも大きいでしょうが)、そこには中国の人々とコミュニケーションをとるうえでの貴重なヒントが隠されているかと思いました。

他にも気になるポイントがいろいろあったので付箋はりまくりでしたよ・・・。中国の「今」を知りたい方はいかがでしょうかね。

Facebookやツイッターでさまざまな国が変化を遂げつつありますが、世界最大の人口を有する中国を変える可能性があるのはこのウェイボーなのでは・・・と思ったり。なお、文章も簡潔ですし、現地の人の声を数多く拾っているので本の作りとしてもかなりおすすめですよ。

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» 中国版ツイッターウェイボーを攻略せよ! (ワニブックスPLUS新書)

【書評】 困ってるひと


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ある日、突然難病にかかったら・・・。

あまり想像したくない出来事ですが、実際にそうなってしまった女子大学院生の体験記です。文字通り想像を絶する症状、(しょうがないのですが)拷問といえなくもない検査地獄、先の見えない長い闘病生活で疲弊してくる人間関係などなどが生々しく描かれています・・・。

ただ文体はあくまでもライト、それが賛否両論だったりもするでしょうが、個人的には興味深く(というのが正しい表現かわからないですが)、一気に読み終えることができました。

誰にでも訪れる可能性がある病気。これとどう向きあうべきか(自分の病気であっても、親しい人の病気であっても)、他の人の体験から学んでおくことは、健康なときにこそやっておくべきかと感じました。

病院の見つけ方、お医者さんとの付き合い方、社会保障の手続きうんぬん、いろいろ学ぶことはあるのですが、個人的に一番考えこんでしまったのがまわりの人との付き合い方、ですかね。

病気だから、大変だから、苦しいから、といって他の人におんぶにだっこではみんなが疲れてしまいます。

「どんな状況でも幸せを感じるための3つの条件(アドラー心理学)」を最近友人から教えてもらいましたが、こういう状況でこそ意識すべきことだな、とあらためて思いましたよ・・・(以下、一応紹介しておきます)。

  1. 自分を好きでいること。
  2. 他の人を信頼していること。
  3. 社会に貢献できていること。

世の中には大変な病気にかかっている人もたくさんいるので健康なだけで感謝すべきですが、それが当たり前の状態が長く続くといざというときにうまく対処できないかもですよね。こうした体験記から学べることは多いかと思います・・・。

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» 困ってるひと

【書評】 われ敗れたり ― コンピュータ棋戦のすべてを語る


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HONZで教えてもらった一冊。Twitterでの天衣無縫ぶりが有名な米長名人永世棋聖(ご指摘感謝です!)が綴った、対コンピュータ戦の体験記です。

多くの方がご存知のように結果は残念なことに永世棋聖の敗北だったのですが、そこに至るまでの葛藤、用意周到な準備、研究の末に行き着いた「6二玉」の一手、当日犯してしまった痛恨のミスといったエピソードの数々に、読み終えたあとの感想は(失礼を承知ながら・・・)次のようなものでした。

このじいさん・・・、かっこいい!!!

「対コンピュータ」という新しいステージに入った将棋というエンターテイメントをいかに盛り上げるか・・・単に勝負に勝つことだけではなく、広く業界のことを考えながら奮闘する名人が実にかっこいいです。

「人間はいずれコンピュータに負ける。機械の計算には勝てないだろう。ただ、マラソンに人は感動する。速さだけなら車のほうが圧倒的に速いにもかかわらず、だ。そうした感動を将棋でも伝えなくてはいけない」

すでにチェスの世界一はコンピュータになってしまった。まだ囲碁というフロンティアが残されてはいるが、名人が言うように、将棋もいずれは・・・と思わせる現状がある。

エンターテイメントとは何か、感動とは何か、と苦悩しつづける永世棋聖の姿にこそ感動してしまった。棋譜が見たいわけではなくて、勝負というエンターテイメントを見たかったのだな、と改めて気付かされました。日本将棋連盟会長である永世棋聖のプロデュースによる、「これからの将棋」に期待したいと思います。

それから余談に近いですが、本書で一番印象に残ったのは勝負に出かける前の永世棋聖と奥様の会話です。永世棋聖の「俺は勝てるかな」という問いに対して奥様がびしゃりと一言。「あなたは勝てないでしょう、いまは若い愛人がいらっしゃらないようなので」。

さまざまな解釈が可能なのでつっこんだ感想は控えますがw、この名人にしてこの妻あり、と妙に納得してしまいましたよ笑。

HONZでもそう紹介されていましたが、読後感が実にさわやかな一冊だと思います。ぜひどうぞ。アルゴリズム好きな方には「6二玉」に行き着いた理由なんかもとてもおもしろいと思います。

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» われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

【書評】 さわり


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またしてもHONZの方に教えてもらったノンフィクション(実話)。

幼少からの天才琵琶史、しかしそのあとにぱったりと琵琶をやめて実業界で財をなし、その間に夫に裏切られて二人の子供を捨てて男装を貫き、晩年には琵琶会にカムバック、小澤征爾さんなどとともにニューヨークフィル交響楽団と共演、といった波瀾万丈の人生をかけぬけた鶴田錦史さんの物語です。

個人的にはまったく知らなかったのですが、海外では有名な方なのですね・・・。

彼(彼女?)の生き様を追体験しながら、戦前〜戦後、昭和にかけての琵琶の盛衰、あわせて戦後のあわただしい日本の姿を垣間見ることもできました。困難があろうとも、力強く生きていきたいですね、とあらためて思うことしきり。勇気が出ました。

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» さわり

なお、彼らの演奏はYouTubeで「November Steps」と検索すれば出てきますね。クラシック楽団に尺八と琵琶があいまって複雑ながら繊細な楽曲に仕上がっていますね。YouTubeだとちょっとあれですが、実際に聴くとすごいんでしょうね・・・。

» november steps – YouTube

最近はノンフィクションか技術書三昧ですね。HONZ、見ていると買いすぎちゃうので危険ですが(笑)、おすすめですよ。今の時代だからこそ「こういうすごい日本人もいたんだ!」ということを知っておきたいな、と思います。

» HONZ

「日々の習慣に影響を与えてくれた、あの本のこの一言」まとめ


あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、年始にあたり、シンプルな「おすすめ本まとめ」が書きたくなったのでざっといっときます。まとめといっても4冊ですが。

個人的に良い本とは日々の習慣(>行動)に影響を与えてくれるものだと思うのですが、そうした本についてまとめてみます。

では早速。

■ 『よし、いっとくか!』

「おれは伊平次」は、HONZの学生メンバーに教えてもらった一冊。

明治時代に実在した「南洋で娼館を開き、最後は国王にまでなった女衒(ぜげん)村岡伊平次」の生涯をひもといた一冊です。とにかく強烈すぎますw。「日本人にこんな人いたのか?!」と驚いてしまうこと請け合いですよ・・・。

また、途中途中で「本当?」という偶然が重なったりしてびっくりなのですが、まぁ、話半分だとしてもすごいです。

なお、上の一言は伊平次がチャンスに出会ったときによく言っていた言葉です(うろおぼえですが、だいたいそんな感じです)。とにかく行動をもって道を切り開いていく彼の生き方がすさまじいです。

この本を読んでからずいぶんと「人生、一回しかないし、思い切った行動をとるべし!」という意識が強まったような。「最近おもしろい本ないですか?」と聞かれたらまずはこの本をすすめることにしています。

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» おれは伊平次 (講談社文庫)

それから学生さんによる書評はこちら。学生にしてこの筆力・・・すごい。

» 学生メンバー応募レビュー『おれは伊平次』 – HONZ

■ 『ときめくか、ときめかないか?』

各所ですでに話題なので迷いましたが、日々の習慣に影響を与えたという意味では「人生がときめく片づけの魔法」は欠かせないですね。昔から「捨てる派」ではありましたが、この本に出会ってからその判断基準(それを手にとってときめくか、ときめかないか)がよりクリアになったかと思います。

その主張だけでなく、著者の萌えキャラ立ちっぷりも素敵です。

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» 人生がときめく片づけの魔法

なお、以前書いた書評はこちらから。

» 【書評】 人生がときめく片づけの魔法 | IDEA*IDEA

■ 『これがお前の見ている世界なのか…』

昨年はフランスやらモンゴルやら皇居やらで走りまくった年でしたが(今年も走るよ!)、「風が強く吹いている」を読んだ影響がかなり大きいような気がします。

(人によりますが)読んだら走りたくなる良書かと思います(走り方だったら「体幹ランニング」がおすすめですが)。走りたくなる、というか、すっかり走るのが習慣化してしまいましたよw。

なお、上で紹介した台詞は、ある登場人物が(とにかく速い)主人公の走る速度を下り坂で体験してしまったときの一言。なんというか、無心になって気持ちよく走っていくと、普段見れない景色が見れるような気がします。

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» 風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)

あ、以前書いた書評はこちらから。

» 【書評】 風が強く吹いている | IDEA*IDEA

■ 『運のいい人とそうでない人の違いがあるとしたら、それは運が悪かったときの落ち込み具合じゃないかしら』

だいぶ前に読みましたが「前田義子の強運に生きるワザ」は、昨年よく思い出した本です。

昨年はずいぶんといろんなことがあって、落ち込んじゃっている人と接する機会が多くありましたが、そのたびにこの本の主張を思い出しました。

「誰にとっても、運のいいときと悪いときがあります。ただ一般的に運が良いとされている人は、運が悪いときに落ち込まずにそれを自覚して、さっと気持ちの切り替えができる人じゃないかしら」

この本を読んでから「運が悪かったなぁ」というときは、「ま、そういうこともあるよね」と気持ちを切り替えられるようになったと思います。苦しいときであったとしても、物事の良い面に目が向くようになった、ということでもありますが。

落ち込みまくってネガティブスパイラルにはまりがちな人におすすめです。

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» 前田義子の強運に生きるワザ (オッジブックス)

あ、以前の書評はこちらね。

» 【東京ブック】 運のいい人 | IDEA*IDEA

他にもありますが、強烈に習慣に影響を与えたという意味ではこの4冊ですかね。ぐっと来たものがあれば是非読んでみてくださいな。

【書評】 あした世界が、


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まずは献本御礼。いつも楽しみにしている柴崎さんの恋愛小説です。

今回のテーマはタイムスリップ。28歳の女性が急に女子高生に戻ってしまい、恋愛をやりなおす、という物語です。

恋愛をやりなおすといっても、精神的には大人ですし、未来に何が起こるかもわかっているので、かなりのアドバンテージがある状態です。ゲームなんかで「無敵モード」になったりすると無駄にドキドキしますが、そうした高揚感をあじわえる設定ではないかな、と個人的には思います。

ぱっと見、めだたないけれど、とある才能を秘めた主人公、将来有望なイケメン男性陣、そしていつものように絶妙な伏線が絡み合いつつ、すかっとしたラストまで一気に読みふけってしまいました(こういう直球なエンターテイメントはいいですよね)。

年末年始に本をお探しの方はいかがでしょうかね・・・。よろしければ是非どうぞ!

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» あした世界が、

【書評】 スエズ運河を消せ―トリックで戦った男たち


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とんでもなく厚いですが(566ページ)、なんとも痛快な一冊。もちろんHONZで教えてもらいました。こんな本があったのか・・・。

一言でいうと「第二次世界大戦で大活躍したマジシャンの物語(実話)」です。実話ってのがすごい。こういう人がいたんだ、ってびっくり仰天ですよ。

主人公はジャスパー・マスケリン(実在する人ですよ)。

マジックの名門一家(それだけで、もう、かっこよすぎる)の出自で、戦争に際して「自分でも出来ることがあるはず!」と戦士には高齢であるにもかかわらず、軍に志願します。

当然、最初は「マジシャン?何の役にも立たないよ」とけんもほろろに扱われるのですが、エジプトの酋長っぽい人と魔術対決をしてから(ほんと?と思うぐらいすごい神展開w)、徐々に軍に認められはじめ、カモフラージュの戦車やら軍隊やら船隊やらをずんどこ発明しまくっていきます。

しかもそのスケールがとんでもなくて、「港をまるごと消す」、「(書名にもあるように)スエズ運河を消す」、「戦艦を突如出現させる」などなどのマジックショーが戦場で繰り広げられます。

もちろん、そうした物語も痛快でおもしろいのですが、個人的に興味深かったのは、その根底にある「マジシャンの考え方」。

ある軍隊を出現させたときのチームとの問答が素晴らしいです。

ジャスパー「軍隊を出現させて敵を混乱させよう」
チーム「でもダミー戦車が4台しかない」
ジャスパー「問題ない、鏡を使おう」
チーム「なるほど、しかし、問題は鏡がないことだな」
ジャスパー「鏡がなくても別にいいんだよ」

これだけ聞いていると「は??」と思いますが、そこはマジシャンのマジックで、見事にないものをあるように、あるものをないように見せることで戦況を好転させていきます。電車で読みながら「うおー、すげー!」と叫びそうになりましたよ、ほんとに。

というわけで若干、アツイ書評になってしまいましたが、個人的にとてもおすすめです。よろしければどうぞ。

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» スエズ運河を消せ―トリックで戦った男たち

それから成毛さん率いるHONZがやっぱりすごいです(書評サイトではなくて、おすすめ本サイトらしいです。批判はせずに本への愛をひたすら語っています)。すぐに本を買いたくなっちゃうのでかなり危険ですが、是非どうぞ。最近「おもしろい本ないですか?」と聞かれたらだいたいHONZ本になっていますよ。

» 『スエズ運河を消せ』 – HONZ

ノンフィクションおすすめ本を紹介する『HONZ』にて「第一期学生メンバー」を募集中!


学生さんにとってはまたとないチャンスだと思うので告知協力しておきますよ。

個人的にちょいと関わっていたり、毎回更新を楽しみにしている、ノンフィクションおすすめ本紹介サイト『HONZ』にて学生メンバーを募集中です。成毛さんをはじめ、これ以上ないぐらい「濃い」メンバーと関われる機会はめったにないのではないでしょうかね。

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↑ 書評の提出が必要となりますが、努力したあとに報われるメリットはかなりすごいかと。

だれでも情報発信ができるこの時代だからこそ、学生のうちから文章力を鍛え上げておくことはとても大事なことではないでしょうかね・・・。というわけで詳細は以下からどうぞ。

» HONZ 「第1期学生メンバー」 募集! – HONZ

■ 最近気になったHONZのエントリー

あと、せっかくなので最近気になったHONZの書評をいくつかご紹介。

  • 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』 – HONZ
  • 「柔道史上最強」と言われた木村政彦の本。冗談というか、マンガみたいなエピソードが満載でとにかくすさまじい。というか、書評がアツすぎるw。個人的にも格闘技が好きなのでこういう愛にあふれたエントリーにはぐっと来てしまいます。

  • 『スエズ運河を消せ』 – HONZ
  • 第二次大戦で屈強のナチス軍に立ち向かった一人のイギリス紳士。彼の武器はなんと「マジック」。名門奇術一家の出自である彼が集めたメンバーも、詩人、サーカス団のマネージャ、婦人服デザイナーなど目を疑うメンツばかりw。さて彼らはドイツ軍を打ち破ることができるのか・・・。ウソのような本当の話ってのがすごいですよね・・・。即買いしちゃいましたw。

  • ホームページ書籍化第一人者ハマザキカクが断念せざるを得なかった超絶サイト達 – HONZ
  • 書評ではないですが、新著はもれなくチェックしているというハマザキさんがあげるマニアックな超絶サイトの数々ですよ。たしかにこれらのサイトが書籍になったらすごいかも・・・というものばかりですね。

  • 今月読む本 のアーカイブ – HONZ
  • 毎月、東さんがまとめてくれる「HONZメンバーがこれから読む本」。この本をリストを見ているだけでもついポチりたくなってかなり危険です。ビジネス書に食傷ぎみ、という方には特におすすめだったりしますので、毎月是非チェックしてみてください。

以上ですかね。HONZ、本好きな方にははげしくおすすめです。よろしければどうぞ。

» HONZ

【書評】 結婚のずっと前


読み終わった後、ふとその本のことについて考えてしまう、というのは良い本だと思うのですが、そういう本のご紹介(あ、献本御礼)。

いろいろお世話になっている坂之上さんと、写真家の野寺さんがすっきり、きれいにまとめた恋愛や結婚に関するメッセージ集です。

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↑ お部屋のどこかにすっと置いておきたい本ですね。

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↑ 写真がとても素敵なので、本というか、インテリアの一部になっていますw。

個人的には結婚どころか恋愛べたのさらにずっと前で困った感じですが(汗)、次のような言葉にはぐっと来ましたよ・・・。

「悩んだら本をたくさん読むといい。」

「文句を言う前にはあなたが何を望んでいるかを考えなさい。どこに行き着きたいのかちゃんと考えて喧嘩をしなさい。」

「決してありがとうを期待して何かをしちゃいけない。」

恋愛もそうですが、人間関係に悩んでいる方にもおすすめかと。装丁が美しいので自宅の机にそっと置いておきたい感じですよ。

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» 結婚のずっと前