【読書】 人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか

SPONSORED LINK

Pocket

2013-11-04 00.40.35

どこかで見かけてなんとなく注文した本でしたが、すごく良かったです!

さて本書では、スペインの「サン・セバスチャン」なる街での奇跡を考察しています。人口18万人なのに「三星レストランが3店、世界ベスト10レストランに2店」がランクインしているのは一体どういうこと・・・?!

■ 食のオープンソース化

ここまでこの街が発展してきたのは、「食の世界は徒弟制度が基本。背中を見て学べ」という、今までの業界の常識を覆してきたからです。

「おいしいものが作れたらみんなでレシピをシェアすればよくね?」というオープンソース的な発想で、地域のレストランが切磋琢磨しあった結果、世界中から観光客が押し寄せる美食の街になったとのこと。

しかもその研究っぷりがすごくて、料理の枠にとらわれずに発想したことで、さまざまな調理法が生まれてきています。真空調理法や凝固剤を使って「テクスチャーシリーズ」、はてはレシピを数式で表現する「分子調理法」・・・。

これらの手法はこの地域であまねくシェアされていて、高級料理店はもちろんこと、そのあたりにあるバルでも存分に楽しめるらしいです。じゅるり・・・。

なお、「サン・セバスチャン」では、レストランの横に研究室が設置されているのも珍しくないとのこと。研究してシェアして学習する、という良いサイクルが生まれているようです。

また、知らなかったのですが、かの有名な「エル・ブジ」もこの地域の流れをくんでいるそうです。確かに独創的な料理なので空気が似ているなぁ、と思っていたのですが。このような経緯を知った後に次の記事を読むのも興味深いと思います。

» 【Spain】世界NO.1レストラン『エル・ブリ』が完全閉店の本当の理由 日経トレンディネット

■ これからの観光産業

著者の高城さんは「これからはさまざまな国で富裕層が登場してくる、そうした時代にもっとも期待できるのは観光業」と提唱しています。

もちろん観光帝国である欧州ではそのたまの取り組みが意欲的にされているのですが、本書ではそのあたりにも触れられていて、とても参考になります。

なかでも「海外旅行はインバウンドとアウトバウンドが比例する。つまり海外旅行に行く日本人が増えれば、日本に来てくれる外国人も増えるのだ」という主張は目からウロコでした。

たしかに観光ガイドなどを読むよりも、たまたま(仕事や旅行などで)来ていた外国人の話を聞いて「お、じゃ、あなたの国に行ってみようか!」と思うほうがモチベーションは高まりますよね。

日本ではなにかと「ゆるきゃら」が地域振興の柱になっていますが、ちょっと違うんじゃないの・・・?と本書では警鐘を鳴らしていたりします。欧州から謙虚に学び、同時に日本人が海外に行くように仕向けるのが中長期的なビジョンなのでは、と個人的に思いましたよ・・・。


読み終わった後にはきっと「サン・セバスチャン」に行きたくなるかと思います。僕もヘルシンキ行きの飛行機調べてしまった・・・w。

食や欧州、観光に興味がある方はもちろんのこと、新しい発想で今までになかったビジネスを切り開いてみたい方にはげしくおすすめしておきます。とても良い本でした。

439611284X
人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡(祥伝社新書284)
高城 剛, , 高城 剛のAmazon著者ページを見る, 検索結果, 著者セントラルはこちら 祥伝社

ツイッターもやっています!

SPONSORED LINK

  • Trackback are closed
  • Comments (0)
  1. No comments yet.