エンジニアと「ベーマガ」について
October 3, 2008 12:40 PM written by Gen Taguchi

さて、ちょっとつらつら思っていることでも書いてみます。はげしく突っ込まれそうですが、まぁ、そこは素直に受ける覚悟で。えーと、エンジニアについてのお話です。
Biz.IDにて「ひとりで作るネットサービス」なる連載をしていてエンジニアとよく話しますが、みなさんの話を聞いているといくつか共通項があります。当てはまらない人もいるけどそれは大きく次の3つ。
- ゲームが好き。
- ベーマガ愛読者。
- 高校とか大学とかで一回パソコンから離れる時期がある。
それぞれについていろいろありますが、ここで言いたいのは「ベーマガってすごかったな」ということです。かくいう自分もベーマガ世代。当時はFM-7のページを開いては一心不乱にゲームを写してはデバッグして、動かして感動して、そして改造して、とやっているうちに気がつくとBASICを覚えていました。
で、今振り返ってみるとベーマガはすごく教育効果が高かったのではないかな、と思っています。それは僕が思うに次のような要因によります。
- 紙だった
- 解説が少ない
- 読者参加型だった
- ゲーム中心だった
ソースがオンラインで公開されているわけでも、CD-ROMでついているわけでもなくて、「ただの紙」というのは当時の状況からすればしょうがなかったのですが、これが実は教育的効果が高かったのでは、と思っています。
ソースをただコピペした場合、一行一行に対する興味が薄れると思うのです。やっぱり自分で手を動かして一文字一文字打ち込んでいくことで「あぁ、こういう順番で書くんだな」「このロジックって何?」「これ、前も見たな」と考えることができます。
そして、そうした思考はやっぱりある程度時間をかけた方がいいと思うのです。コピペで一瞬で終わってしまうと、いざ自分でゼロから書くときにどういう思考をしていいのかわからなくなるような気がします。
また紙を見てそれをタイプする、という作業を行うことでデバッグにも強くなります。コピペしていたら「;がないだけで動かない」なんてことにも気づきません。
「絶対あっているはずなのに!どうしてもわからない!えーい、プリントアウトして一行一行比較だ(← よくやった)」という苦しみからしか得られないものもあると思います。
プログラミングはある意味「写経」であるべきだと思うのは僕だけっすかね・・・。
ページ数の都合もあって、それぞれのロジックに対する解説があまりなかったのもベーマガの特徴でした。
そうなると「えー・・・この一行、わかんねーよ」となりますよね。無理やりマシン語っぽいのが書いてあったりして高速化する手法とか、割り込み手法とか、言語の裏技チックな構文でサイズを節約する技もたくさんありましたよね。わからないうちはまるで呪文のようでした。
しかし、わからないながらも完成系は見えています。これを書けばこのゲームが出来ることがわかっている。そうなると「だったらこれはこうじゃないか?いや、あっちかもな」という想像が膨らむことで自分でロジックを組み立てられる能力が鍛えられます。さらに「こうなっているけどこっちの方がいいんじゃね?」と自分のロジックを組み立てられることもあるでしょう。
さらりと全部の解説が詳しく書いてあるとそういう想像ができませんよね。たださらりと読んで「へー・・・」で終わるよりも、「わかんない!でも知りたい!」と思える方がいいと思うのです。
プログラミングに限らないですが、「What(何)」は提示されているけど「How(どうやって)」が提示されていないときに人の創造性はもっとも高まるのではないかな、と思います(今、俺いいこと言ったw)。
「ひとりで作る~」で取材した人の中にはベーマガに投稿したり、その結果TAKERU(なつかしー!)で自分のゲームが販売された人も何人かいます。やはりこうした「発表」の場が大事だと思います。そして「発表」とセットになっているのが「評価」です。
評価されれば次の号に載る、というわかりやすいルールがあることでプログラマーのモチベーションが高まるかと思うのです。
今の時代だとウェブで公開してさまざまな評価を受けることができますが、評価そのものを判断するのが難しい時代でもあります。どこの誰かわからない人にちょっとDisられてモチベーションが下がっちゃうよりは、どこか自分が信じている権威のある人から「これはOK」「これはちょっとね」とわかりやすい評価をされるべきだと思っています。
時代の流れもありますが、掲載されているプログラムがゲーム中心だったことも裾野を広げた大きな要因ではないでしょうか。そもそも興味がわく、という点と、「作ったら友達と遊べる」という点がいいですよね。
よく自分で打ち込んだゲームを友達に見せて「つまんねー」といわれましたがw、それが悔しくて無敵モードを作ったり、キャラクターのデザインを変えてみたりしましたよ・・・そんな経験が必要なのではないかと思います。
エンジニアの裾野を少しでも広げたいなら「住所録を作ろう!」「掲示板を作ろう!」とかじゃないような気がするのです。それよりもケータイで友達と遊べるちょっとしたゲームだったり、診断とか占いプログラムが良いと思います。
以上、突っ込みどころ満載かと思いますが(ベーマガ読んでなくてもすごい人たくさんいるじゃん、とか)、ベーマガがいかに効果的だったかをつらつらと個人的な観点から考察してみました。ベーマガについては自分の経験をうろおぼえ的に書いているので間違った事実があればコメント欄にてご指摘お願いいたします・・・。
で、こっからが本題ですが、この要素を組み入れたエンジニア教育プログラムなんてのがあってもいいかなー、なんて思います。例えば次のようなビジネスモデルはどうでしょう。
- プログラムを学びたい人向けに有料誌を販売。月刊誌か隔週誌。1冊500円とか300円とか?誌面はソースコードとちょこっとした解説のみ。CD-ROMとかオンラインでのソースコードとかもなし。紙だけ。
- 内容は素人がちょこっと作れそうなものばかり。できればゲームが一番いい。ウェブだと占いゲームとか診断ゲームとか、簡単なRPGとかどうだろう。カスタマイズも簡単そうだし。面倒っぽいけどケータイ向けとかでもいい。あまり長いコードだと微妙なんで見た目がしょぼくなるのが課題か。でもいいじゃん、逆にCUIでw。
- もちろん投稿も受け付ける。誌面の関係で「500行まで」とか制限をつけてはどうか。採用された人には半年間その雑誌を無料プレゼントとかどうだろね。
- 開発環境をつくるところだけがちょっと素人さんには敷居が高いのでそこは詳細を記した冊子を入会者に無料でプレゼント+オンラインでも手厚いサポートを。
こういう雑誌をある程度権威のあるところがやってみると面白いかもなー、と思うのだが。オライリーさんとかやってくれないですかね。
自分もそうですが、プログラミングを覚えることですごく世界が広がりました。プログラミングを覚えて良かった、と思える人が自身の経験を活かして、他の人にも広めていく手法を考えるのはワクワクしますよね。
なんだかまとまりのないエントリーですが、前から書きたかったことなんですっきりしました。ここまで読んでいただいて感謝です。
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