パネル限界論

SPONSORED LINK

Pocket

panel_top.gif

たまには炎上覚悟で一気に書く。一度きりの人生、後悔はしないぜ。ちなみに前回の続きね。

さて最近思うこと。

「最近パネル、つまらなくないですか?」

いや、言い過ぎです。正確に言うと、「来場者を満足させるための手段として、パネルディスカッションってやたら効率悪くね?」ということです。

もちろんパネルで満足する人もいます。しかしそうした人の感想の大半は「議論は拡散していましたが、個人的にはいくつか刺さるところがありました」というものではないか?

それよりも「何が言いたいかわからなかった」「うまくまとまっていなかった」という人が多くはないか?もしくはさっぱりわからなかったため、感想さえ言えない人が多くはないか?

来場者がじっと座っている時間に対して得られるものがこれなら、それはイベントの形式として正しいのかどうか?ちょっと考えてみたい。

■ パネルディスカッションとは?

イベントでよく行われるパネルディスカッション。形式もさまざまです。ちょっと考えるだけでいくつかの場合分けができそうです。

  • パネラーがパネルディスカッションの前にプレゼンをしているかどうか?
  • 事前にパネラー間で議題が練られているかどうか?
  • 会場からの質問を受けるかどうか?受けるタイミングは議論の最中か、その後か?
  • パネラーが議論中に使える資料を用意しているかどうか?

これらの場合分けがありつつ、パネルの目的には大きく次の二つがあるでしょう。

  • 識者が出てきて自由に議論を戦わせ、そのライブ感を楽しんでもらう
  • パネラーのプレゼンに対しての質問セッションといった具合に、事前のプレゼンについて理解を深めてもらう

パネルをすることでどちらもそれなりに達成できるとは思いますが、個人的には普通のプレゼン、もしくは質疑応答時間でいいんじゃね、と思っているわけです。

■ パネルで失敗してきたこと

自分でもいままで何度かパネルをやったり、参加したりしてきましたが、個人的な経験から以下のような失敗をしてきました。

  • ライブ感を大事にすると議論が拡散しやすい。モデレーターにまとめる能力がないと目もあてられない。来場者的には「So what?」感たっぷり。
  • 事前にプレゼンがある場合、モデレーターや他のパネラーがそれぞれのプレゼンを聞いていない場合がある。その場合、来場者的には「それ、プレゼンでさっき言ったじゃん」的展開になる場合がある。またパネラー的にも「それ、さっきプレゼンで言ったのに質問してくんなよ」となったり。
  • 「まぁ、アドリブでいきましょう」という打ち合わせのあと、本当にそうしたら間が持たずにモデレーターが質問を思いつかずに空気が固まる。
  • 一人のパネラーが話しすぎる。もしくはモデレーターが話しすぎる。
  • 終わり方が「そろそろ時間なので・・・」となりがち。参加者的には「ぽかーん」。
  • パネラーは識者の場合が多くて、モデレーターがその発言を止められない場合がある。
  • モデレーターが次の質問を考えることに集中するあまり、会場の空気がまったく読めていない。

今思い出しても胃が痛いっす・・・。

■ なぜパネルが行われるか?

では、そうした問題があるにもかかわらずなぜパネルが行われるのでしょうか?かなり個人的な主張ですが、それは主催者側に次のようなメリットがあるからだと思います。

  • 「ライブ感が大事ですから」を免罪符に、あまり準備をしなくていい。
  • 「アドリブでいいですから」とパネラーに依頼する(場合が多い)のでパネラーが快諾しやすい(=準備しなくていいのね、となるため)。
  • 議論がもりあがらなかった場合、お互いに責任を他の人になすりつけやすい(「今回はモデレーターがね~」とか「今回はあの人がね~」とか)。

こうしたメリットはたしかにありますが、これって来場者へのメリットじゃないですよね・・・主宰者の役割は「来場者が満足する可能性を最大化すること」ですよね?

■ 良いパネルとは?

繰り返しますが、パネルで得られるものがない、とは言っていません。パネルによっては好印象で終わるものもあります。「パネラーの人柄が良かった」「あの有名人が考えていることがわかった」などなど。

しかし言いたいのは「それってパネルの形式じゃないほうが、来場者が満足する可能性が最大化されるんじゃね?」ということです。

パネルをするよりも、一人一人にしっかりメッセージをもって講演してもらったり、質疑応答の時間だけでよかったり、プレゼンしてくれた人に「他のプレゼンも踏まえて最後に一言」と聞くだけでもよいのではないでしょうか。

30分とか1時間とかかけてパネルをすることが、どうも僕には効率的だとは思えないのです。

■ それでもパネル、の場合

まぁ、そんな独り言を言っていてもしょうがないので、「理想のパネル」というものがあった場合、どういうものになるか考えてみた。

  • パネラーの立場を最初から明確にするために事前プレゼンを必須とする。たとえ10分であっても。
  • モデレータは意見をつなげる役割を担うこと。数分前のキーワードを拾いながら丁寧に話をつなげていくこと。「さきほど○○さんがおっしゃった~~は○○さんの意見と組み合わせるとこう言えますかね、○○さんはどう思います?」といった具合に点と点をつないでいくこと。「まぁ、この議論はここまでにして、次の質問は・・・」と会話を分断していかないこと。
  • モデレーターは考えうるシナリオや質問を十分すぎるほど持っていること。これが十分にないと会場の空気が読めなくなる(余裕がなくなるため)。
  • モデレーターは最後のまとめをどうするか考えつつ議論を進めていくこと。最後に来場者が何を得たかを考えてきちんと伝えること。まとめのための時間を事前に計算に入れておくこと。
  • モデレータはしゃべりすぎないこと。しゃべりすぎたパネラーを制止する手段を持っていること(事前に「時間の都合上、話を止めますよ」と話しておくこと、ベルなどを用意することなど)。

・・・こんなところではないでしょうか。つまるところ、モデレータの能力がかなりスーパーならうまく行く可能性は高いと思います。ただ、僕にはそうした能力はないので諦めているし(いや、がんばりましたよ・・・でも難しいっす)、うまくいったとしても他の手段のほうが来場者が満足する可能性が高いと思っています(来場者の満足を高めるのが僕の役目です)。

■ 例えるならば・・・

パネルディスカッションは「食材を適当にごろごろ並べたのでまぁ、好きなものを食べてください」という不親切なレストランに似ています。じゃがいもとか、にんじんとか、調理されないでそのまま並べられていて、ごくたまに、そのまま食べてもおいしいイチゴのようなものが入っている(かもしれない)、という状態です。

そうではなくて、やっぱりお客が来る以上、その料理人のきちんとした方針や考えが伝わるような「料理」(よく準備されたもの=しっかりメッセージを持った講演)を出したほうがいいと思うのです。

来てもらった人に満足してもらう可能性を最大化する、という方針をとるならば、パネルディスカッションという選択肢はほぼない、と思うのですがいかがでしょうかね?

以上ですが、僕が間違えている可能性もかなり高いですよね。

「いや、パネルはあるべきだよ」「(普通の講演に比べて)こんな素晴らしいパネルがあったよ」というご意見があれば是非教えてください。

■ 謝辞

余談ですが、このエントリーを書く際にはSkypeチャットにてブロガー仲間の皆さんにいろいろご意見をいただきました。ここに感謝いたします。アップ前にこうして相談できる仲間がいるのは良いですね。ありがとうございます。

ツイッターもやっています!

SPONSORED LINK

    • KIDA
    • November 26th, 2007

    行政・学者・実務家が、予め決められたストーリー通りに、それぞれの立場から見た問題点とその対策について話し合ったものは分かりやすかったですよ。

    「やらせ」と言われそうですが、それぞれが日頃感じている問題について正直なところを語っていたことには間違いありません。細かい台詞は決めていなかったようです。

    もちろん、ひとりでその全ての意見を紹介することも可能ですが、やはり実際に携わっている者が実感をこめて話すと説得力も違ってきます。

    尚、このディスカッションは会員限定で行われたものです。

    一般にパネルディスカッションが効果を上げにくいというのは同感です。
    本当に成功するには、かなりの討論時間が必要なのではないかと思います。

  1. 今まで見た良いパネルディスカッションの形式

    僕も基本的にパネルディスカッションから得るものは
    少ないと思ってます。面白いから好きですけど。

    パネル限界論 | IDEA*IDEA

    いや、…