【書評】 京都吉兆のしごとの作法 – 感動を超えた「感涙」のサービスへ

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確か成毛さんのブログで知った本。京都吉兆の総料理長、徳岡さんの本です。高級料亭の経営としてはかなり型破りな「しごとの作法」を紹介しているのですが、どのビジネスにも応用可能な考え方、事例が満載です。付箋はりすぎましたよw。

昨日、一気読みしたのですが、もうちょっと前に読んでいたら間違いなく「今年、出会った「すごい本」まとめ」にランクインしていましたね・・・。

高級料亭というと古めかしくて「先輩は厳しいし、下積みは長いし、技の熟練にはずいぶん苦労する」というイメージがありますが、そうした体制ではこれからの時代を生き抜いていくことはできない、と徳岡さんは腹をくくり、さまざまな施策を打っていきます。

その施策の数々は「レシピは全員に公開する」「新卒採用をする」「新人にも最初から包丁を持たせる」といった、料亭業界の常識を覆すものばかり。

しかし、古い慣習に縛られずにどうしたらいいかを考え抜いた末のこうした施策が徐々に効果を現し、不況で他の料亭がつぶれていくなか、京都吉兆は生き残り、ミシュランで3つ星まで獲得するようになります。

新しい時代にどう対応していくべきか、日本だけで考えていていいのか・・・、そうした変化へのチャレンジはどの企業も抱えているかと思います。「何かしなくてはいけないという気持ちはあるけど、どうしたらいいかわからない・・・」と思っている人にこそ読んでもらいたい本ですよ。

なお、せっかくなのでいつものようにぐっと来たポイントをざざっとご紹介。

  • 成長を左右するのは経験の量ではない
  • すぐれた料理家と、そうでない人で食事量がすごく違うかというとそうでもないです。そうした経験の量よりも、一つ一つの体験からいかに何かを学び取るか、という問題意識の方が成長を左右するのでは、と徳岡さんは考えています。

    一つ一つの料理を口にしたときに「これはどうやって作っているのだろう」「この味はどうやったら再現できるのだろうか」と質の高い時間を過ごすことが大事です。漫然と毎日をすごすのではなくて、一つ一つの経験の質を高めるために何ができるかを常に考えていたいですね。

  • 深く考えれば・・・
  • 仕事は自己満足ではなくて、相手に伝えてはじめて完成されます。しかし「伝える力」はどうやって磨けばいいでしょうか。そのためには「深く深く考えること」と徳岡さんは主張します。「深く考えれば考えるほど口をついて出る言葉が自分の言葉に近づくから」と思っているからです。

    たしかに何かを聞かれたときにうすっぺらい回答をしていてはしらじらしい空気が流れるだけでしょう。普段から「お客様とは自分にとってどういう存在なのか」「お客のどこを大事にするべきなのか」などを深く考えておくことで、「自分の言葉」で語れるようになり、「伝える力」が強くなっていくのです。

  • 本気でぶつかる
  • 「社交辞令が嫌い」という徳岡さんは、軽く呑みに誘われたときには「本気ならいますぐ予定を決めよう」と手帳を出しながら提案するそうです。最初はびっくりされるそうですが、そうして仲良くなった人たちとは本気で考えをぶつけあうことができるそうです。

    苦境に立たされたときにはこうした信頼のおける仲間たちがいつも助けてくれたそうです。本気でぶつかりあえる仲間をいかに見つけるかは常に意識していたいですね・・・。

  • 家族を招いての研修
  • 仕事に行き詰まったときに支えになってくれるのはやはり家族。そこで京都吉兆では研修に「家族を招いてのプレゼン大会」を取り入れています。これは家族の方に「あなたの娘さんや息子さんは誇りの持てる仕事をしていますよ」と知ってもらうためです。

    これがなければ家族の人はもしかしたら転職をすすめてしまうかもしれないのです。研修時には家族から厳しい指摘をもらうことも多いそうですが、そうした経験が支えになってより仕事に打ち込めるようになるそうです。

  • ユーモアは愛情表現の一つ
  • 吉兆では高級料亭であっても遊び心を発揮してびっくりするようなメニューを出されることもあるようです。こうしたユーモアは相手を思いやる気持ちからでるもの。TPOをわきまえる必要があるものの、周りを気遣う気持ちを大切にして、仕事であっても、もっとユーモアを持とう!と徳岡さんは主張しています。

京都の方だけあって文体もきれいでさらりとしています。またところどころに出てくる料理の描写がこれまたさすがの表現で・・・なんともおなかが空きますので要注意ですw

京都吉兆は平均単価5万円+ということなので気軽にいけるわけではないですが、いつか行ってみたいなぁ・・・。というわけでおすすめしておきます。

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