【書評】 日本人なら知っておきたい!?『カラオケ秘史』

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karaoke

青い人に「最近、面白い本ない?」と聞いたら教えてくれた本。知っているようで知らないカラオケ誕生の歴史を綴った本です。

個人的にカラオケをたしなまないので最初はふんふんと読み流していたのですが、商魂たくましい人々が積み重ねっていったその歴史にぐいぐい引き込まれ、一気に読んでしまいましたよ。

通信カラオケがTAKERUから生まれた、というところに一番の感銘を受けたわけですが(知ってました?w)、そこに到るまでには実にいろいろな人の創意工夫があったようですね。

さまざまな人が登場するのですが、個人的に気になったのは「最初にカラオケをビジネス化した井上さん」と「通信カラオケを作った安友さん」の二人です。

■ 井上さんにまつわるエピソード

  • カラオケの発明者ははっきりしない。ただ、最初にビジネス的に普及させたのは流しのミュージシャンだった井上さんと言われている。
  • その井上さんは流しの演奏をするときに、客にあわせてアレンジするのが得意だった。それが好評で、あるお得意さんが社員旅行に出かけるときに「井上さんの演奏でいっちょテープを作ってよ」と頼んで出来たのがカラオケテープの始まり。
  • そのテープが好評だったので、「これは商売になる!」と直感した井上さん。自分が作ったテープを演奏する機械をつくって売り込むことに。
  • その機械、スナックなどに置いたのですが、うまかったのは「100円で5分間きっちり動作する」という機能。だいたい曲は3分半で終わることを知っていた井上さんの絶妙なプライシングでした。途中で曲が終わるのをいやがって客はだいたい1000円ぐらい突っ込むことに。
  • ただし、流れのミュージシャンの反発にあうことに。「その機械を入れるなら流しの演奏に来ませんよ!」と言われてひきさがるスナックもあらわれる。そこで井上さんはミュージシャンを集めて説得。「あんたらの演奏は機械にまけるのか!」とハッパをかけてなんとかしのぐ。
  • その後、ビジネスは大きくなったが、同業他社との競争が激化。社長からヒラ社員に自ら降格。20歳のころからはやしていたヒゲをそって引退。

■ 安友さんにまつわるエピソード

  • 安友さんは原子力を研究していた学生。研究大好きだったがブラザー工業から「好きなことしていいから」とくどかれ就職。さっそく数億円のスーパーコンピュータなどを購入して研究三昧。
  • しかし経営陣から「何かやれ」と言われ、TAKERUを考案。電話線を通じてソフトウェアを販売するという端末をつくり、全国のミシン屋に置くことに。
  • それはそれで人気だったが、どうにも採算が合わない。そうしたときにある人からMIDIデータの売り込みが。「これ、カラオケで売れるんじゃね?」と考えた安友さんはTAKERUの次世代機に着手。
  • しかしあいかわらず採算のとれなかったTAKERUは経営陣から「撤退せよ」という命令を言い渡されてしまう。そこで安友さんは撤退するふりをして「徹底にはお金と時間がかかる」と予算をせしめて、引き続き開発に没頭。
  • 経営陣に隠れて、安友さんは全国のTAKERU機が通信カラオケの中継器となるように改造しまくる。
  • そんなこんなで通信ネットワークを構築しながら通信カラオケ機も開発。準備ができたところで経営陣に告白。通信カラオケ事業が正式に認められる。そしてカラオケ機をディーラーに販売開始。ディーラー加入の条件は一千万円の保証金。強気の条件だったが、ブラザーならではのブランド力で次々にディーラー獲得。
  • 同時期にタイトーも通信カラオケに参入したが、通信ネットワークがなかったため、センターから直接ダウンロードしていた。お客からは「遅い」という評判がつくことに。そのタイミングでブラザーが参入。通信速度が速いことが話題に。
  • しかしそのあと苦戦。なぜかというと、当時カラオケの主な客層であった中高年が好む歌謡曲が著作権でがんじがらめにされていたため。
  • そこで営業チームは若者にターゲットをシフト。営業したカラオケ店の周辺に若者が好きそうな曲をリストアップした小冊子をくばるなどの徹底ぶり。そのあとの通信カラオケの人気はご存知のとおり。

お二人とも商魂たくましい、というか、日々の工夫が素晴らしいですよね。

いまや世界中で楽しまれてるカラオケですが、その歴史はあまり知られていないですよね。カラオケ発祥の地、日本に生まれたからには、読んでおきたい一冊かと。おすすめしておきます。

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» カラオケ秘史―創意工夫の世界革命 (新潮新書) (新書)

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  1. 面白そうなので図書館で予約しました!
    良い本をご紹介いただきありがとうございます。

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